渓流釣り師なら、一度は「渓流に泊まってみたい」「野営してみたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。
でも、「ちょっと怖い」「仲間がいない」などの理由から、一歩踏み出せない人も多いと思います。
今回、私は最低限の装備で、初の野営に挑戦してきました。
この記事が、「野営をしたいけど何から準備したらいいかわからない」と思っている方の参考になれば幸いです。
目次
- 準備
- 野営場所探し
- 設営
- 渓魚との出会い
- 野営
- 撤収
- まとめ
準備
渓流へ泊まることへの思い
「渓流に泊まりたい、雑誌に載っているような野営がしたい」
渓流釣りを始めた約8年前からずっとそう思っていました。
「日没ギリギリまで釣りができて、夜は渓流の音を聞きながら寝て、朝起きたらすぐに釣りができるなんて最高じゃん」
そう思っていました。
しかし、実際のところは、
- 装備にお金がかかる
- 経験者がいないから何から始めたらいいかわからない
- 一緒に行く人がいないから不安
等を理由として、一歩踏み出せないでいました。
今回、私は単独で野営釣行に臨んだのですが、その理由は、
- やりたいと思っていることを先延ばしにしても後悔しか残らない
- やってみないと何も進まない
と考えたからです。
みなさんも、ぜひ、挑戦してみてください
計画
計画も立てず闇雲に、とりあえず行ってやってみた!では自己満足で終わってしまいます。
「野営をする」ということをミッションとするならば、ミッションの成功は、「生きて家に帰ること」になると思います。
今回が初の野営となることから、野営場所として計画したのが、
近くに林道があり、非常時にはすぐにエスケープできる場所
を最優先事項としました。
林道が近くにある=人が入りやすい、ということですから、そういった場所では、雑誌によくある
「イワナの楽園」
という訳にはいきません。
しかし、これも、命あっての遊びですから、「イワナの楽園」を目指すのは、自分で経験を積んでから、若しくは、経験者に同行してもらうのがいいでしょう。
「生きて帰ること」は大前提として、今回の野営釣行の一番の目的としては、
自分で経験して、「必要なもの」「不要なもの」を模索し、
自分のスタイルを見つけ出すこと
です。
何事も、経験しなければわからないものですから、初心者である私の経験が、プラス若しくはマイナスにでも、今後野営釣行を考えている方の参考になればと思って記事を書かせてもらいます。
今回は、初ということで、1泊の計画としました。
渓流で何を楽しむのか
私の場合、渓流に止まって何を楽しむのか、つまり目的ですが、
- 「自分の好きな道具と渓魚を写真に取ること」
- 「焚き火を見ながら、おいしい料理と酒と喰らうこと」
が目的です。
これらに関する道具は、妥協することはできません。
また、シュラフだけはきちんとしたものを選ばないと命に関わるので、今回新たに、モンベルのダウンハガー800#3を購入しました。
その他は、以前から保有していたもので挑みました。
いずれは、すべての道具を妥協のないものとしていきたいですが、資金は限られています。
今回は、経験を積むことが目的でもありますから、致し方ありません。
道具
源流に泊まるに際しては、荷物の軽量化を重視して、タープ泊とすることにしました。
私が現在持っているザックの容量が、33リットルしかないことから、荷物は厳選しました。
最低限必要なものとして私が考えたのが、
寝具関係として
- シュラフ(モンベルダウンハガー800#3)
- マット(銀マット)
- グランドシート(セリア)
- タープ(タトンカ2TC)
- エアピロー(ロゴス)
- 着替え(ユニクロのダウンジャケット、暖パン、ヒートテックTシャツ、靴下)
- サンダル(セリア)
調理器具として
- 焚き火缶(S,Mサイズ)
- 焚き火台(アマゾンで1,500円の物)
- シングルバーナー
- ナイフ(モーラーコンパニオン)
- のこぎり(ホームセンターで1,000円くらいの物)
- まな板(ダイソー)
- タオル(イワナをさばくときに使う)
また、その他
- トイレットペーパー
- 絆創膏やポイズンリムーバーなどの救護系のもの
- 虫除け(森林香)
- ライター
あとは釣り具、食材です。
これらのものを33リットルのザックに詰め込むと

こうなりました。
ランディングネットや熊よけスプレーなんかは入り切らなかったので、ベルトに装着して携行することとしました。
また、ルアー、リール、財布、スマートフォン、デジカメ等は、肩掛けかばんに入れて携行しました。
そして、今回は、電車での輪行でしたから、ウェーディングシューズを普段靴とし、ゲーターは除外しました。
ウェーディングシューズ、ゲーターを入れるスペースがありませんでした・・・
この時点で、ザックに限界を感じていました。
しかし、車であれば、ゲーターをザックに入れる必要もありませんし、車を降りてからウェーディングシューズを履くと考えると、33リットルのザックでもギリギリ大丈夫です。
道具については、個別また紹介します。
野営場所探し
国土地理院のマップで、粗方目星をつけて出発です。
私は小渓が好きなので、「支流の支流、広葉樹が多いところ」が大体の目安です。
この目安で、渓魚の姿を全く見なかったということは、ゼロに近いです。

初の輪行です。
モンベルの輪行袋を使用しましたが、初めてでも難なく輪行できました。

最寄りの駅に到着。

30分ほど自転車を走らせ、目的の渓に到着。

自転車をそのへんの大木にくくりつけ、タックルを記念撮影。
好きな道具で好きな釣りができることが幸せです。
思ったより杉(針葉樹)が多いですが、釣れないことはないだろうということで遡行していきましたが、魚の反応が全くありません。
しばらく進むと新しい足跡があり、先行者がいたのかもしれませんが、それにしても魚の反応がなかったので、釣りは諦め、野営地を探すことにしました。
1時間くらい林道を歩いて、やっと見つけました。

一人で寝るには十分な広さですし、川より高い位置にあり、近くに林道もありますので、こちらを野営地に決定しました。
設営
このとき既に15時を回っていて、昼食を取っていなかったことから腹ペコでしたがとりあえず先にタープを張りました。

重くてかさ張りましたが、タトンカの色合いはとても渓に合っています。
雰囲気も大事です。

このとき既に15時を回っていたのですが、昼食を取っておらず腹ペコで倒れそうでした。
とりあえず、昼は簡単にすませようと思っていましたから、カップヌードル(カレー味が渓流で最高!)を食べてしばしまったりタイム。


ほうじ茶オレが、疲れた体に染み渡ります。
夜の一人宴会に備えて、

わさび漬けの素で、きゅうりのわさび漬けを作り、

ビールとともに渓流で冷やしておきます。
完璧な準備だと自画自賛です。
その後もまったりしていると

雨が降ってきました。
天気予報は晴れですが、「山の天気は変わりやすい」というのは本当であると実感しました。
幸い小雨で、すぐに止みましたが、この経験から、合羽は必須だと痛感しました。
渓魚との出会い
このまま夜を迎えようかとも思いましたが、渓魚の顔を拝めていなかったので、釣りに出発。
野営地の少し上流で、

小さなイワナを拝むことができました。

鰭の端が白くなっていて、お腹は鮮やかなオレンジ色、こんなにきれいな魚が他にいるでしょうか。
その後、ポツポツ釣れましたが、キープできるサイズは釣れませんでした。
イワナの天ぷらを食べたかったのですが、綺麗なイワナを拝めたので良しとします。
日没が近くなってきたので、野営地に戻って、夜の部の始まりです。

野営(一人宴会)
釣りと同じくらいに手を抜けないのが、一人宴会です。
何を食べるのかを考えながらスーパーで食材を探すときも楽しいものです。

渓流で冷やしておいたビールで一人乾杯。
フリーズドライ等の方が、軽い、簡単、おいしいので、フリーズドライを選択するのもありかと思います。
しかし、私は、自分で作ったものを渓流で食べたかったので、重くてかさ張りますが、わざわざ渓流に食材を持ち込んでいくスタイルを取りました。

きゅうりのわさび漬けも、いい感じに浸かっていました。
どんどんいきます。

じゃがりこポテトサラダ、激ウマです。
じゃがりこにお玉2杯くらいのお湯を入れて、数分待って混ぜるだけ、これは野営には必須ですね。
焚き火を見ながら時間は過ぎていきます。
焚き火台が小さいので、薪を切る回数が多く、案外暇なく過ごせます。
米を炊いておきます。


適当にやってもそれりに炊けることがわかってきました。

みょうが、大葉、ちりめんじゃこを塩、オリーブオイルで和えたもの。
本来はごま油がいいのですが、持ってくるのを忘れました。

一人山に入り、一日を過ごす。
それほど深く入ってはいませんが、やはり、夜は怖いです。
しかし、移動での疲労にビールが手伝って、22時ころに睡魔に襲われ、就寝。

焚き火が燃え尽きるのを、シュラフの中で確認して、寝ました。
モンベルのダウンハガー800#3で過ごす夜は、寒さを一切感じませんでした。
しかし、銀マットは流石にうすすぎて、夜中2時ころに起きたときには体が痺れていました。
初めての野営とうこともあって、不安で何回か起きましたが、無事朝を迎えました。

ほうじ茶オレで一服したのち、昨日炊いたご飯で作った雑炊を食べます。

朝は寒くて、あったかい雑炊がしみるだろうと思っていましたが、そんなに寒くなかったので、しみませんでしたが、旨いことは旨いです。
ついでに昼飯のチャーハンも作りました。

具材は、卵、ベビーハムだけです。
渓流に食材を持ち込むとき、暑さで腐らないかが心配ですが、ベビーハムは常温保存ですので安心。
チャーハンを作り終えて、このあとの行動を一人作戦会議した結果、今シーズンはヤマメ、アマゴに会えてなかったので、別の支流でヤマメを狙う作戦に決定。
撤収

きれいに片付けて撤収です。

今日もいい天気です。
が、その後は作戦失敗で、ヤマメに出会うことはできず、今シーズンの渓流釣りが終了しました。
まとめ
初めて野営釣行をしてみましたが、概ね満足できたと思います。
道具としては、今回、
- 銀マットは私には薄すぎる
- セリアのレジャーシートに穴が開いた
- タープはもっとかさばらず、重たくないものがいい
- そもそもザックが小さい(食材のせい)
等々、実際に野営をしてみてわかったことがありました。
最後2つはわかりきっていたことですが・・・
「あると便利なもの」は、火ばさみですね。
なくても大丈夫っちゃ大丈夫ですが、あると一々熱さを木にしなくて住むので、幕内での時間が快適になります。
いずれにしましても、渓魚にも会い、自分で作った料理をつまみ、焚き火を見ながらビールを飲むという、そして、無事に帰るというミッションを攻略したので、今回の野営釣行は成功と言っていいでしょう。
これからはシーズンオフに入りますが、今年の釣行を考察し、来年に向けて準備していきたいと思います。
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